電車を乗り継いで郊外の遊園地まで足を伸ばすともう遠足気分♪
昨日まで数日間続いた雨もあがって、
花壇のコスモスは澄んだ秋の日差しを受けてキラキラと輝いている。
「気持ちいーねー! 」
両手を空に向かって思い切り伸ばして、
澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込む。
玲音も黒い瞳を輝かせて、
ほっぺたを赤くして嬉しそうにしている。
うん、やっぱり玲音は可愛いっ!
と、思っていたら…
「ねえ、あのひと、すごくかっこいいっ!
高校生かな? どこの高校だろう? 」
「あの髪の色、すごくキレイっ」
「オーラが凄いっ! モデル?」
女の子たちのひそひそ声が聞こえてきた。
その女の子たちの視線の先にいるのは……玲音⁈
ふぇ〜…
玲音がねぇ…
そういえば、
最近玲音と一緒に歩いていると
女の子たちの注目を浴びることが多くなってきた。
そっかぁ…
玲音、モテるんだ…
「りりちゃん、どうしたの?」
私の顔を覗き込んで、
大きな瞳を輝かせて笑っている玲音の笑顔は
小さい頃と変わらない。
カッコいいっていうより、
まだまだ可愛い玲音だけどなあ。
「なんでもないっ! 早く入ろうっ! 」
玲音の腕をぐいっと引っ張って
入り口に向かって走った。
前回来た時にはけっこう並んだチケット売り場も今日はガラガラで、すぐに入ることができた。
チケット売り場だけでなくアトラクションも
今日はガラガラ!
やった!
並ばないで乗れるっ!
「さすが、平日っ!
こうなったら全部乗ろうっ! 」
玲音の返事も待たずに、
一番人気のジェットコースターへと走った。