「それにしても、玲音、よく食べるねぇ…」


目の前で勢いよくお皿を空にしていく玲音を呆然と見つめる。



作っても作っても玲音がお鍋を空にしてしまう。


「部活後のせいか、すごくお腹、すく……」


「そうだよね、あんなに走り回ってるんだもんね」


グラウンドを走っていた玲音をふと思い出した。



「それに、りりちゃんのご飯、すごく美味しいっ!」



「本当? それ、一番嬉しいっ! 」


ほっぺたを真っ赤にしながら、幸せそうにご飯を頬張っている玲音を見ていると、

私も幸せな気分になる。




食べ終えたお皿を洗っていると、

コップを取ろうとキッチンに入ってきた玲音にこつんと肩がぶつかった。


「ちょっと玲音、どいて。

なんだか玲音、最近、邪魔なんだよなぁ…」


ポツリ呟くと、玲音がカウンターキッチンの前に立って牛乳を飲み始めた。


「玲音、そこに立つと、
テレビが見えなくなっちゃう」


キッチンから見えるはずのテレビの画面が
玲音の背中にすっかり隠れている。



でも、…んん?


……あれ?



「今までこんなことあったっけ?」