「りりちゃん、これ美味しいっ! 」
にっこりと笑った玲音にガッツポーズ。
やったね!
「チーズを入れてみたんだよっ」
実は玲音の苦手なピーマンと玉ねぎを細かく刻んで入れてある。
「すごく美味しい! 」
嬉しそうな玲音を見ていたら、
ちょっとだけ幸せな気分!
「明日はね、フレンチトースト作ろうと思って! 玲音、好きでしょ? 」
「好きだけど…でも、急にどうしたの?」
「へへへ、内緒ー♪ 」
そう言って、コップに入った牛乳を飲もうとすると、
玲音が私のコップに手を伸ばして私の牛乳を飲み干してしまった。
「あれ? それ私のコップだよ?
玲音、牛乳は苦手じゃなかったっけ? 」
玲音からコップを取り返そうと手を伸ばすと
私の手を制した玲音が真剣な表情で顔を寄せた。
「りりちゃん、知ってた?
牛乳ってものすごーく太るんだって」
「え、本当⁉︎ 」
玲音の言葉にピタリと動きを止めた。
「太ももとかおしりとか、
ものすごーーく立派に豪快に育つらしいよ。
りりちゃん、ほら、最近ちょっと……」
玲音が言いにくそうに、
私のお腹に視線を動かした。
うげっ…
「だから牛乳はやめた方がいいみたいだよ?
だからしばらくりりちゃん、
牛乳禁止にしよっか。ね? ね?
俺が代わりに飲んであげるから♪ 」
「う、うん…」
思わずコクンコクンと何度も頷いたけれど…
「玲音はそんなに飲んで大丈夫なの? 」
苦手だったはずの牛乳を
浴びるように飲んでいる玲音を不思議な思いで見つめた。