桜の花びらが散るなかで、

玲音の笑顔がキラキラ光る。


気がつけば掲示板の周りには、新入生があふれ始めていた。


早めに教室に入っていた方が友達作りやすいかも⁈


「とりあえず教室に行ってみようっ!」



玲音と見慣れぬ校舎に向かい、昇降口を抜けて階段を登り、

1年生の教室が並ぶ2階の廊下で足を止めた。


「じゃ、またあとでね!」


コクンと小さく頷くと、玲音はゆっくりとした足どりで自分の教室へと歩いていった。


玲音、大丈夫かなぁ…


玲音の小さな後ろ姿を不安な思いで見送った。


すると、玲音がくるりと振り返ってさけんだ。


「りりちゃん、俺、別に緊張とかしてないからっ!」


「わかってるよ!頑張ってね!」


「だから、頑張らないってば!!」


顔を真っ赤にさせて、必死になっている玲音はやっぱり可愛い。


玲音が少しむくれて自分の教室に入っていくのを見届けてから、

自分の教室に向かった。