玲音とおばさんの容体について話すのはいけないことのような気がして、
私も口を閉ざした。
玲音はバスを降りるまでなにも話さずに
ずっと窓の外の景色を見つめていた。
「玲音、お昼、駅で食べて帰っちゃおうよ‼ 」
返事をしない玲音を半ば無理やり駅前に連れ出して
一緒にお昼を食べた。
そのあとふたりで文房具や雑貨を見てぶらぶらして過ごしたけれど、
そのあいだも玲音はずっと黙ったままだった。
薄暗くなった頃に 家に着くと、
玲音は自分の家には戻らずそのままうちにやってきた。
夜まで一緒に宿題を終わらせたりテレビを見たりしたけれど、
玲音の表情は晴れないまま。
キッチンに立ってお鍋の蓋をあけると、ふわりとカレーの匂いが漂う。
お母さんが作り置きしておいてくれたんだ。
「玲音! 今日の夕飯、カレーだよっ。やったね! 玲音、カレー大好きだよね! 」
私の声が聞こえているのか、聞こえてないのか、
ぼんやりとソファに座っている玲音は返事もしない。
「玲音、大丈夫? 」
「……え? あ、うん」
そう答えた玲音は、全然大丈夫そうじゃない。
スプーンを手に持ちながら、動きを止めている玲音に不安になる。
私も口を閉ざした。
玲音はバスを降りるまでなにも話さずに
ずっと窓の外の景色を見つめていた。
「玲音、お昼、駅で食べて帰っちゃおうよ‼ 」
返事をしない玲音を半ば無理やり駅前に連れ出して
一緒にお昼を食べた。
そのあとふたりで文房具や雑貨を見てぶらぶらして過ごしたけれど、
そのあいだも玲音はずっと黙ったままだった。
薄暗くなった頃に 家に着くと、
玲音は自分の家には戻らずそのままうちにやってきた。
夜まで一緒に宿題を終わらせたりテレビを見たりしたけれど、
玲音の表情は晴れないまま。
キッチンに立ってお鍋の蓋をあけると、ふわりとカレーの匂いが漂う。
お母さんが作り置きしておいてくれたんだ。
「玲音! 今日の夕飯、カレーだよっ。やったね! 玲音、カレー大好きだよね! 」
私の声が聞こえているのか、聞こえてないのか、
ぼんやりとソファに座っている玲音は返事もしない。
「玲音、大丈夫? 」
「……え? あ、うん」
そう答えた玲音は、全然大丈夫そうじゃない。
スプーンを手に持ちながら、動きを止めている玲音に不安になる。