病院に着いておばさんの病室の扉に手をかけると、玲音の顔に一瞬、緊張した表情が浮かぶ。


そんな玲音に気づかないふりをして、スルスルと白い扉を横に開くと、

見慣れたおばさんの病室が現れた。


おばさんが眠っていないことを確認して、声をかける。


「おばさん! こんにちは」



視線を動かしたおばさんは私達に気づくと、
嬉しそうにゆっくりと体を起こした。



「あら、ふたりで来てくれたのね」




昨年、大きな手術を受けて以来、

おばさんの体はひとまわり小さくなってしまったように感じる。



弱々しく微笑むおばさんを見ると胸が痛んだ。



ベッドサイドに置かれたパイプイスに玲音と並んで座る。