「あのさ、明日おばさんの病院に行くんだけど、一緒に行かない?」


「あー……」


テレビに視線を移した玲音が、言葉を濁した。


「明日も部活あるし、間に合わないかも」


「じゃ、週末なら一緒に行ける?」


「無理かも」


素っ気なく答えた玲音を、

じっと見つめる。



「どうしても無理なの?」


負けずにじっと見つめ続けて
諦めたように玲音が小さく頷いたので

ちょっとだけホッとした。



「よしよしっ!」



玲音の頭をぐしゃぐしゃと撫でまわすと、

玲音は目を細めて、困ったように笑う。



玲音はいつからおばさんの入院している病院に
行きたがらなくなったんだろう。


小さい頃は病院に行きたがって泣いてたのにな…