「如月、もう練習始まってるぞ!
こんなところでなにしてるんだよ!」
「すみません! すぐに行きます!」
先輩に返事をした瞬間、
りりちゃんが驚いた顔でこっちを向いた。
「あれ、玲音! こんなところでなにしてるの?
真っ赤な顔してるけど……、大丈夫?」
「な、な、なんでもないっ!
じゃ、りりちゃん! 俺、部活、行ってくるっ!」
「頑張ってね! いってらっしゃい!」
りりちゃんはいつもと変わらぬ笑顔で、ニコニコと手を振っている。
りりちゃんと恥ずかしくて目を合わせられないまま、
グラウンドに向かった。
「“いってらっしゃい!”なんて、もうすっかり嫁じゃん‼」
そんな声が背中から聞こえてきた。
その日は部活のあいだ中、
“そのまま結婚しちゃったりして"
と言っていたりりちゃんの友達の言葉が頭の中をぐるぐると回っていて、
全然練習に集中できなかった。
こんなところでなにしてるんだよ!」
「すみません! すぐに行きます!」
先輩に返事をした瞬間、
りりちゃんが驚いた顔でこっちを向いた。
「あれ、玲音! こんなところでなにしてるの?
真っ赤な顔してるけど……、大丈夫?」
「な、な、なんでもないっ!
じゃ、りりちゃん! 俺、部活、行ってくるっ!」
「頑張ってね! いってらっしゃい!」
りりちゃんはいつもと変わらぬ笑顔で、ニコニコと手を振っている。
りりちゃんと恥ずかしくて目を合わせられないまま、
グラウンドに向かった。
「“いってらっしゃい!”なんて、もうすっかり嫁じゃん‼」
そんな声が背中から聞こえてきた。
その日は部活のあいだ中、
“そのまま結婚しちゃったりして"
と言っていたりりちゃんの友達の言葉が頭の中をぐるぐると回っていて、
全然練習に集中できなかった。