「私はいいよ! みんなで楽しんできて!」


「どうして?」


「玲音とクリスマスするから!」


その言葉に、周りが静まり返った。


「あのさ、りり花に聞きたいんだけど。
如月くんとりり花の関係って、本当にただの幼なじみなの?」


「うん!」


「本当の兄弟でもないのに、
クリスマスを一緒に過ごすなんておかしくない?
いつも、如月くんにご飯作ってるみたいだしさ。

それってもう彼女じゃん。
っていうか、彼女でもそこまでしないよ?」


りり花の声が響く。


「ご飯作りは好きでしてることだし、
玲音とは小さいころからずっと一緒だし! 

クリスマスも一緒に過ごすのが当たり前っていうか」


「りり花、大変じゃないの?」

「楽しいよ?」


「そんなことしてたら他の男子と遊びに行けないじゃん」


「うーん、他の男子とか、あんまり興味ないのかも。私は今のままでいいから!」


りり花の言葉に、胸の奥が熱くなる。


すると、りり花の友達のひとりが呆れたように呟いた。


「それっていつまで続けるつもりなの?」


「考えたことなかったけど…
玲音が自分のことをひとりで出来るようになるまで、かな?

玲音、自分のことなにもできないから!」


「ふーん、そんな風に見えないけどね」


「そのまま如月くんと結婚しちゃったりして!」


「ねー‼」


「そんなこと……」



と、りり花が言いかけたその時、後ろからドンと叩かれた。