【side 玲音】
休み時間にりり花の教室に行く途中、 声をかけられた。
この前りり花が一緒にいた、
確か、りり花のクラスの学級委員の「瀧澤」……だ。
「あのさ、その、突然ごめんな。
もしかして、これから吉川のところに行く?」
りり花の名前に、足を止める。
「今日さ、吉川と話したいから、その……
気を利かせてもらってもいいかな?」
照れくさそうにそう言った瀧澤に、
眉を寄せる。
「どういう意味?」
けれど俺の不機嫌さを気にする様子もなく、
瀧澤が続けた。
「最近、吉川とちょっといい感じでさ。
できたら、その、もっと吉川と仲良くなりたいっつうか」
「いい感じって?」
顔を赤くして嬉しそうに話している瀧澤。
そんな瀧澤を見つめる視線が
無意識のうちに尖っていく。
「俺の姉ちゃん、星薇女学園に通ってて
吉川が興味あるらしいんだ。
そのことで吉川から相談受けててさ」
りりちゃんが星薇女学園…?
りりちゃんが女子校に行くつもりだったなんて
全然知らなかった。
胸の奥がざわりと落ち着かない。
「吉川、数学で行き詰まってるらしくて、
放課後、一緒に勉強してるんだよ。
俺も、これをきっかけに吉川と仲良くなれたらと思って」
そこまで言って、滝澤が照れたように頭をかいた。
「ほら、お前、休み時間のたびにうちの教室にくるだろ。
なかなか吉川と話せなくて」
恥ずかしそうに笑う瀧澤は、悪い奴には見えない。
でも、それとこれは別。
「できたら協力してほしいんだ。
ってことで、よろしくな!」
「ちょっと、待てよ!」
教室に戻ろうと背を向けた瀧澤を
呼び止めようとしたそのとき、
サッカー部の先輩に声をかけられた。
「如月、こんなところでなにしてるんだよ!
今日は昼錬するって言っただろ。
すぐにグラウンドに集合!」
「さーせん…」
滝澤のことが気になりながらも、
グラウンドに向かった。
瀧澤の言葉が頭から離れず、
昼練の間も放課後になっても
シュートミスを連発してしまった。
休み時間にりり花の教室に行く途中、 声をかけられた。
この前りり花が一緒にいた、
確か、りり花のクラスの学級委員の「瀧澤」……だ。
「あのさ、その、突然ごめんな。
もしかして、これから吉川のところに行く?」
りり花の名前に、足を止める。
「今日さ、吉川と話したいから、その……
気を利かせてもらってもいいかな?」
照れくさそうにそう言った瀧澤に、
眉を寄せる。
「どういう意味?」
けれど俺の不機嫌さを気にする様子もなく、
瀧澤が続けた。
「最近、吉川とちょっといい感じでさ。
できたら、その、もっと吉川と仲良くなりたいっつうか」
「いい感じって?」
顔を赤くして嬉しそうに話している瀧澤。
そんな瀧澤を見つめる視線が
無意識のうちに尖っていく。
「俺の姉ちゃん、星薇女学園に通ってて
吉川が興味あるらしいんだ。
そのことで吉川から相談受けててさ」
りりちゃんが星薇女学園…?
りりちゃんが女子校に行くつもりだったなんて
全然知らなかった。
胸の奥がざわりと落ち着かない。
「吉川、数学で行き詰まってるらしくて、
放課後、一緒に勉強してるんだよ。
俺も、これをきっかけに吉川と仲良くなれたらと思って」
そこまで言って、滝澤が照れたように頭をかいた。
「ほら、お前、休み時間のたびにうちの教室にくるだろ。
なかなか吉川と話せなくて」
恥ずかしそうに笑う瀧澤は、悪い奴には見えない。
でも、それとこれは別。
「できたら協力してほしいんだ。
ってことで、よろしくな!」
「ちょっと、待てよ!」
教室に戻ろうと背を向けた瀧澤を
呼び止めようとしたそのとき、
サッカー部の先輩に声をかけられた。
「如月、こんなところでなにしてるんだよ!
今日は昼錬するって言っただろ。
すぐにグラウンドに集合!」
「さーせん…」
滝澤のことが気になりながらも、
グラウンドに向かった。
瀧澤の言葉が頭から離れず、
昼練の間も放課後になっても
シュートミスを連発してしまった。