玲音がそう言ったところで、

ちはるちゃんが私のカバンを持って戻ってきた。


「保険医の先生、もう帰っちゃったみたい。
これ、りり花のカバン。教室からもってきたよ」



「ありがとう、ちはるちゃん。
湿布も張ったしもう大丈夫っ。

大騒ぎしちゃってごめんね」


ふたりに手を合わせて謝ると、

ちはるちゃんがぶんぶんと
首を横に振った。



「私が掃除当番代わってもらったから。
さすがに責任感じるよ」



「ちがうよ、私がカッとなっちゃったから…

ちはるちゃんも、玲音も部活中だったのに、
巻き込んじゃって、ホントごめんなさい」


すると、玲音に頭を撫でられた。


「りり花のせいじゃないよ。
ごめんな、全部、俺のせいだよ」



心配そうに見つめる玲音とちはるちゃん。


なんだか、みんな謝ってばかりで……


思わずプッと吹き出した。



「悪いのは、先輩たちだ! 」



そう言うと、玲音もちはるちゃんも


「たしかにっ!」


と、3人で目を合わせて笑いあった。