「ん〜、ダメに決まってるじゃん♪何でわざわざ美味しそうなものを目の前にして食べないの?お腹が減らないだけで、食べなかったら今度こそ死んじゃうかもしれないんだよォ?
じゃあ...食べるしかないよねぇ〜♪」




鬣犬は光る眼光を俺達に浴びせてきた。やはり、彼女にとって俺達は餌。それが育て親の父親だとしても食べ物の種類的には代わりがない。

鬣犬は一歩、また一歩と俺達の距離を縮めてきた。俺達は当然後ろへ下がっていくが、吉永だけ彼女に向かって一歩前に出た。


「...ふざけるんじゃないわよ....理沙は...理沙はあんな目に遭ったのに、苦しんで追い込まれていたのに....理沙の扱いがまるでいつの間にか用意されてるお菓子みたいな....
理沙は一体何のために殺されたの!?何のために一人で耐えてたのよ!!
何で襲ったのが理沙なのよぉ!!!」


「なに怒ってるの〜?怖いなぁ〜。ってか、理沙って誰?」


鬣犬は吉永の怒りに薪をくべた言い方をした。
吉永はどしどしと足を鬣犬へと進めていく。


「殺してやる....よくも理沙を...殺してやる!!」


「ま、待て吉永!死にたいのか!?」


俺は無謀だと思える行動を起こしている吉永を捕まえるが、無理矢理解かれた。
鬣犬に向けていた鋭い目付きを俺の方へ向けた。