こういう罠があったからこそ、野宮さんが俺に木の棒で安全確認を強いたのかと納得した。


俺は一応安全地帯と確認をし、出てきた二人を安全地帯へと誘導した。
目が慣れたとはいえ、暗いのは確かだ。ぼやけてみえるだけで、全体像がまだ把握出来ていないのが逆に不気味に感じた。

電気を点けようにも、さっきの刃のような仕掛けがあるかもしれないので、不用心に入ることが出来ないのだ。


全員が部屋に入った事を野宮さんは確認すると、刃をまるで赤ん坊が起きないようにそっと置こうとゆっくり下へ下げた。


出来る限り下へ下ろしていくと、最後に野宮さんは素早く拳銃を引いた。
刃は拳銃という支えがなくなり、重力が働くまま床へ落ちた。

刃が床へ落ちる音は小さいが、よく響いた。


コン....カチッ


刃が床へ落ちた即後にスイッチが入った音が聞こえた。俺達はその音に過剰反応をした。

そのスイッチ音の正体は部屋の電気がつくスイッチというのは反応してから数秒後に分かったことだ。

部屋は寝室のようだ。大きいベットが三つ並んでいて、タンスや縦鏡がある。窓は閉じ切っていてホコリが充満していたが、本来なら洋風な感じが出て寝心地が良さそうな部屋だった。


「...何で刃が落ちたら電気がつくんだ?意味がわかんねぇ....」