だが、それからなんなく前に進み、俺達に来るよう声を掛けてきた。


俺を先頭に這って通っていくと、出口の先は真っ暗なのか、後ろの階段部屋の弱々しい光が照らしてぎりぎり見えたが、野宮さんが銃を出口付近の上の方に抑えているのが目に入った。


「何してるんですか?邪魔なんですけど....」


「理由は後で言うが、取り敢えずこの銃に当たらないようにくぐり抜けて欲しい。」


野宮さんの言葉が理解出来ず、ハテナが頭に浮かんだが野宮さんの言うがままに従った。銃に当たらないようにくぐり抜け、服を叩いていると野宮さんから木の棒を渡された。


「?野宮さん、これは一体」


「栄治君。その木の棒で辺りの床を叩いて欲しい。それも静かにだ、安全確認のためだからやってくれないか?」


野宮さんがそう言うと俺はしぶしぶ言う通りに従った。いくらなんでもそれは警戒過ぎるのではないかと思っていた。だが、目が暗闇に慣れてきて薄ら視界が見えてきた時、野宮さんの言うことの意味がわかった。

野宮さんが拳銃で抑えていたのはギロチンより少し小さめの鋭い刃だった。
ここへ繋がる出口は上へスライドするシステムで、それに刃が付いているといった構造。
出口を前回にしたらその刃だけ落ちるというシステムを理解した。
何故ならば、刃は既に出口から離れていて、野宮さんが拳銃を離すとすぐに落下してしまう。