「どれくらいかかるって....この壁の奥にいけばもう村だよ。」


闇住人は車の目の前にある、コンクリートで固められた大きな壁を指さした。
年数が結構経っており、苔が目立っていた。
植物も伸びてはいたが....


「あ、あの....ここを登らないと行けないんですか?全員登れますかね?」


この壁はまるで万里の長城のように横からいけそうな隙間はなく、登るしか方法がないと思われた。
だが、闇住人はニコニコしたまま壁に近付くと、壁の目の前の地面を手で払っていくと、木の板が現れた。

それを少し辛そうに地面から引っこ抜くと、中は空洞になっていた。


「地下道....ってことですか?」


「あぁ。本当はこの村には大きなトンネルで行けるはずなんだけど、それ自体閉鎖されてね。まだ女の人の呪いにかかり初めの頃に見つけ出したんだ。
若者とか迷い込んで村へ侵入させないようにする為だろう。」


「なるほど...じゃあ行きましょうか。」


「あっ、待ってくれないか?ここから先は僕は行かないよ。」


闇住人の言葉に力が抜けてしまった。ここまで来ておいて来ないなんて....まぁそういう約束だから仕方が無いが....