「納得してくれました?取り敢えず、取り敢えず保健室へ行かせてもらいますよ?取り調べの必要は無さそうですしね。西条もこの通り具合も悪そうで、僕もあまりいい気分ではないです。」


そう言うと混雑している人混みの中に入ると、自分と俺のカバンを持って出てきた。
青山は片手で俺の脇にフックのように引っ掛けると、そのまま持ち上げて保健室目掛けて歩いていった。

後ろから野宮さんの声は聞こえなかった。



保健室には誰もいなかった。保健室の先生や和一先生も警察の取り調べで忙しいのだろう。
青山は俺を長椅子に座らされると、大きくため息を吐いて座った。


「あ〜しんど。野宮さんはやっぱりめんどくさい人だなぁ〜」


青山は疲れた口調で言った。


「....青山。野宮さんに言った電話って何のことだ?」


「パソコンの情報は凄い。だが、パソコンに全ての情報が保存されてるとも限らない。だから、俺は親父の通話を聞くことにしたんだ。
それはお前にも言えない特殊の方法だけどな。」


青山の答えがぶっ飛びすぎて、俺は思わず笑がこぼれた。


「ハッ...お前、将来はハッカーにでもなりたいのか?」


「ハッカーか....まぁ収入の話となれば悪くはねぇかな?」