だが、あの教室にはもしもの時に持ってきた自前のパソコンがあるし、そういう場面に向き合っていかないと何かを得ることが出来ないとも感じていた。

教室のドアを開けるとそこには、まだざわめいているクラスメイト、そして騒動に気が付いた先生、そしてまさかの警官の姿も見えた。
青い服装を身につけ、数人がクラスメイトの中に紛れ込んで誘導している。その警官の中にはあの人の姿も....

目が合うと、その人は目付きを鋭くし、歯を食いしばりながらドシドシと歩いてきた。
野宮さんだった。


「栄治君!!今まで何処に行っていた!?話を聞かせてもらおうか!!」


野宮さんはゴツゴツとして血管が浮き出ている手で俺の手を思いっきり掴んだ。その力に俺は思わず痛みの声を鳴いた。
だが、そこで一つの手が野宮さんの手を掴んだ。青山だった。


「野宮さん...いくらなんでもそんな強引な取り調べは駄目じゃないんですかね?」


「潤平君....悪いが、こうなっても仕方が無いんだ。この子とどんな関わりを持っているか分からないけど、こんな一大事にどこかへ行くのもおかしいし、今回の関連性のある事件には全部深く関わっている。
これは署までは強制的に来てもらうしかないんだ。」