「青山だ。青山は警察の偉い人の子供なんでな、親のファイルを覗き見してた。」
長富は疑わしい目で青山を見るが、青山は一切動じず、表情を変えなかった。
その真剣さが伝わったのか、長富は睨んだり疑うような目をすることはなくなった。
「....じゃあ、このままだと俺もあの二人みたいに...死ぬってことか?」
「あぁ....だが、助かる活路はある。」
その言葉を聞いた瞬間、長富はさっきとは真逆のキラキラとした目で飛び付いてきた。
「マジで!?どうすんだ?どうすれば俺は助かるんだ!?」
まるで飼い主にじゃれる犬のように俺に詰め寄ってきた。
「お、落ち着けって!その方法は俺達もイマイチピンっとしてないんだ!
...だけど、いつになるか分からんが早い段階である人物と会う。その人なら答えを知ってるはずだ。」
長富は喉元を膨らませながら頷いた。
そこから俺は振り向いて教室向けて歩き始めた。後から三人の足音も聞こえてくる。
何も言わずに付いてきてくれる有り難さと同時に、その足音は何故か俺を後押ししてくれるように感じた。
正直教室には戻りたくなかった。あの光景がまた鮮明に浮かんで来てしまって、また気持ち悪くなるんじゃないかと思うと足が止まりそうになる。