球技大会が終わってひと段落ついた月曜日。
特に変わった事がない1日…
つまり、唯ともいつも通り話してない。
はぁ…
心の中でため息をついてしまう。
唯の席を見ると…
あれ…?
今唯が見ていた…気がしただけか…。
やっぱり変わらない1日…
今日は先生方の会議で部活が無かった。
とぼとぼと長い廊下を歩く。
色々考えていた…
だから前なんか見てなくて…
「きゃ!」
向こうから走ってきた誰かとぶつかってしま
った。
わたしは尻もちをついて持っていたバックを床に落とした。
「ごめんなさ…唯…」
ぶつかった相手は唯だった。
唯はぶつかった相手がわたしと分かるとギョッとしてバックを持ってそそくさと走って行ってしまった。
やっぱり私には無理…。
勇気なんて出せないよ…。
そう弱気になって家に帰った。
ポケットに入れていた携帯で音楽を聴く。
好きな歌…
好きな歌詞が…
私を元気付ける。
しばらくするとだんだん暗くなっていた。
「せつな、ご飯よ」
下からお母さんの声が聞こえた。
「はぁい」
下ではお父さんがテレビでニュースを見ていた。
「また、この病院だよ」
「すごいわねぇ、たくさんの難病治しちゃうなんて」
テレビニュースではある有名な名医の先生がインタビューを受けている。
すごいなぁ。
ここ2週間くらいこの先生はよく見かけるようになった。
「とにかく、食べましょ。いただきます」
お母さんは家の仕切り役…
お父さんより家では権力がある。
いつも通り勉強しようとしたら、鞄に違和感を覚えた。
なんか私のと違う。
中身を見るとどこかで見た筆箱やノートがあった。
これ…唯のだ。
「せつな、お風呂いいわよ」
「あ、はい」
「あ、お弁当箱出してないでしょ!自分で洗いなさいよ」
「あ、うん。わかった」
とりあえずお風呂に入る事にした。
お風呂から上がって鞄についてどうするか悩んだ。
そしたらある物が目に入った。
「これ…」
私が唯への思いを書き溜めた手帳と同じ…。
唯が持っていた事にびっくりした。
そしたらどんどん唯との思い出が頭を侵食して…
どうしても手帳の中身が気になった。
「ごめん。唯…」
自分の欲望が止められずに、手帳の中身を見てしまった。
プリクラが貼ってあったり、可愛い動物のシールが貼ってあったりした。
唯はセンスがいいから、ボールペンでプリクラを撮った日や自分の感想などを書いていた。
その時唯との思い出で頭がいっぱいで人の私物を勝手に見ている罪悪感はなかった。
そしてページがもうそろそろ終わりのところで、ある文章が見えた。
「これって…」
せつなと喧嘩して口も聞かなくなった。
勢い余って絶交宣言しちゃった。
ほんとはそんな事したくないし、後悔もしている。
私は最近春のことで頭がいっぱいで、無理して背伸びしている気がする。
ほんとは春のこと冷たいなって思ってる自分がいる。
私は今…
春よりせつなと一緒にいたい。
せつながまた友達になってくれたら、元どおりの無理しない自分に戻れそうな気がする。
だけど…勇気がないんだよね。
私…
きっとせつなも私のこと、もう何とも思ってないよね。
違う…
私も同じ。
元に戻りたい。
唯の思いを知ったら無性に泣きたくなった。
唯が全く明かしてくれなかった本音…
無理してたんだなって思った。
「頑張らなくちゃ…」
涙を拭う。
明日また唯に話しかけてみよう。
勇気がなければ出せばいい。
唯のお弁当の具は殆ど手が付いていなかった。
荒野春に振り向いて欲しいからだろう…
唯はこんなに努力しているのにあの男は…
そう思ったら今度は腹が立った。
明日の準備も終えて、あとは心の準備だけ…
頑張れ…私。
次の朝唯の鞄を持って、学校に行った。
昨日と変更のある教科は私の教科書を入れておいた。
そしたら、私の前の約3メートルを歩く人を見た。
あれって唯よね。
今になって戸惑いが生まれる。
だけど…頑張るって決めたんだから。
「唯!」
私の声にビクッと肩を揺らした。
ゆっくり振り返る唯…
特に変わった事がない1日…
つまり、唯ともいつも通り話してない。
はぁ…
心の中でため息をついてしまう。
唯の席を見ると…
あれ…?
今唯が見ていた…気がしただけか…。
やっぱり変わらない1日…
今日は先生方の会議で部活が無かった。
とぼとぼと長い廊下を歩く。
色々考えていた…
だから前なんか見てなくて…
「きゃ!」
向こうから走ってきた誰かとぶつかってしま
った。
わたしは尻もちをついて持っていたバックを床に落とした。
「ごめんなさ…唯…」
ぶつかった相手は唯だった。
唯はぶつかった相手がわたしと分かるとギョッとしてバックを持ってそそくさと走って行ってしまった。
やっぱり私には無理…。
勇気なんて出せないよ…。
そう弱気になって家に帰った。
ポケットに入れていた携帯で音楽を聴く。
好きな歌…
好きな歌詞が…
私を元気付ける。
しばらくするとだんだん暗くなっていた。
「せつな、ご飯よ」
下からお母さんの声が聞こえた。
「はぁい」
下ではお父さんがテレビでニュースを見ていた。
「また、この病院だよ」
「すごいわねぇ、たくさんの難病治しちゃうなんて」
テレビニュースではある有名な名医の先生がインタビューを受けている。
すごいなぁ。
ここ2週間くらいこの先生はよく見かけるようになった。
「とにかく、食べましょ。いただきます」
お母さんは家の仕切り役…
お父さんより家では権力がある。
いつも通り勉強しようとしたら、鞄に違和感を覚えた。
なんか私のと違う。
中身を見るとどこかで見た筆箱やノートがあった。
これ…唯のだ。
「せつな、お風呂いいわよ」
「あ、はい」
「あ、お弁当箱出してないでしょ!自分で洗いなさいよ」
「あ、うん。わかった」
とりあえずお風呂に入る事にした。
お風呂から上がって鞄についてどうするか悩んだ。
そしたらある物が目に入った。
「これ…」
私が唯への思いを書き溜めた手帳と同じ…。
唯が持っていた事にびっくりした。
そしたらどんどん唯との思い出が頭を侵食して…
どうしても手帳の中身が気になった。
「ごめん。唯…」
自分の欲望が止められずに、手帳の中身を見てしまった。
プリクラが貼ってあったり、可愛い動物のシールが貼ってあったりした。
唯はセンスがいいから、ボールペンでプリクラを撮った日や自分の感想などを書いていた。
その時唯との思い出で頭がいっぱいで人の私物を勝手に見ている罪悪感はなかった。
そしてページがもうそろそろ終わりのところで、ある文章が見えた。
「これって…」
せつなと喧嘩して口も聞かなくなった。
勢い余って絶交宣言しちゃった。
ほんとはそんな事したくないし、後悔もしている。
私は最近春のことで頭がいっぱいで、無理して背伸びしている気がする。
ほんとは春のこと冷たいなって思ってる自分がいる。
私は今…
春よりせつなと一緒にいたい。
せつながまた友達になってくれたら、元どおりの無理しない自分に戻れそうな気がする。
だけど…勇気がないんだよね。
私…
きっとせつなも私のこと、もう何とも思ってないよね。
違う…
私も同じ。
元に戻りたい。
唯の思いを知ったら無性に泣きたくなった。
唯が全く明かしてくれなかった本音…
無理してたんだなって思った。
「頑張らなくちゃ…」
涙を拭う。
明日また唯に話しかけてみよう。
勇気がなければ出せばいい。
唯のお弁当の具は殆ど手が付いていなかった。
荒野春に振り向いて欲しいからだろう…
唯はこんなに努力しているのにあの男は…
そう思ったら今度は腹が立った。
明日の準備も終えて、あとは心の準備だけ…
頑張れ…私。
次の朝唯の鞄を持って、学校に行った。
昨日と変更のある教科は私の教科書を入れておいた。
そしたら、私の前の約3メートルを歩く人を見た。
あれって唯よね。
今になって戸惑いが生まれる。
だけど…頑張るって決めたんだから。
「唯!」
私の声にビクッと肩を揺らした。
ゆっくり振り返る唯…