「今日は良いお客さんに当たって幸せだにゃー」

「…じゃあぁりすちゃんにお願い!」

「何かにゃー?」

「ぁりすちゃんはずっと

幸せでいてくれよ!」


セットしてあったスマホアプリのタイマーが鳴る

終了時刻だ


「…うん

ありがとうねお客さん…ううん、梶くん

違うね、カリスマ携帯小説家ぁりすさん」

目を見開く

ぁりすちゃんの握っているスマホのケースには

5年前に撮ったぁりすちゃんと俺のプリクラが貼ってあった

プリクラのラクガキにはあの頃のぁりすちゃんの「しあわせ」の文字

ぁりすちゃんと俺の約束だ

切なそうにスマホごと手を振るぁりすちゃん

きっとこれで良かったんだ

お店を後にし

家路へ急いだ