「あっ、瑞季と亮平くんだ」



お弁当を食べていると、不意に高崎さんが窓の外に目をやって声を出した。



「瑞季?亮平くん?」


思えば、高崎さんから男子の名前が出てきたのは2年になって出会ってから6月の今までで初めてかもしれない。

不思議に思って聞き返す。


「あ、えーと…。瑞季っていうのは私の幼馴染みで…最近は喋ってないんだけど…。亮平くんは同中で瑞季の友達だから顔見知りなの。凄く格好いいって人気だよ?知らない?」


「亮平?上の名前は?」


「一ノ瀬。一ノ瀬亮平くん」


上の名前を聞いてもいまいちピンとこない。

学校に興味が無いから当然といえば当然だけど…。



少し興味が沸いて、高崎さんの視線を追った。