「遠野さんっ、お昼食べよう」


昼休み。

1日の半分が終わり皆が活気づく時間帯、高崎唯(たかさかゆい)がお弁当を持って駆け寄ってきた。


「うん」


私達はいつも教室でお弁当を食べているので、前の席の女子に椅子を貸してもらって私の机を二人で使って食べている。


「お腹空いちゃった。今日は体育があって移動教室ばっかだったもん」


高崎さんはにこにこしながらお弁当箱をあける。

といっても、重い前髪のせいでほとんど顔が見えないんだけど。



切れば?ってアドバイスしたいけど、そんなに突っ込むのも悪いかなって思って何も言っていない。

こだわりがあったら悪いしね。