私の周りのプリントを拾い終え、私は遠くに飛んでしまったプリントを拾おうと手を伸ばす。


すると、そのプリントが誰かの手によってひょいと拾われた。





「はい、どーぞ。」


低くて綺麗な声をしているな、と思いながら顔をあげると、男子生徒がしゃがんでプリントを差し出してくれていた。



「ありがとうございます」

私は軽く微笑むと、そのプリントを受け取る。


その男子生徒は無言で頷くと、立ち上がって歩きだす。




「空、綺麗ですね」