「緊張してる?」

「すっごく」

「あはは、大丈夫だよ。 ちゃんと話はしてあるから」



秋ちゃんのお家に来たのは久しぶり。


広いお庭に大きなお家。


変わらない風景にホッとする。



「ただいま」

「お邪魔します」



緊張する私の手を引いて、リビングのドアを開けた。


リビングには秋ちゃんのママ、お兄ちゃんのカナちゃん、弟のワタちゃんが居た。



「ココちゃん、お帰りなさい」

「た、ただいま、です……」



涙を浮かべる秋ちゃんママを見て、鼻の奥がツンとした。


視界がボヤけていく。



「マジでココだ!」



ワタちゃんにガバッと抱きつかれて抱きつき返した。



「ワタちゃんがおっきくなってる!」

「ワタちゃん言うな! もうガキじゃねんだから渉(わたる)って呼べよ!」

「あははっ」

「あははじゃねーよ!」

「はいはい、次は俺の番」



そう言ってカナちゃんに抱きしめられた。



「お帰り、ココちゃん」

「カナちゃん、ただいま」

「ははっ、懐かしいな。 俺の事そう呼ぶのはココちゃんだけだよ」



いつも優しくて面倒見が良かったカナちゃん。


昔と雰囲気変わらない。



「そろそろ離れて」



秋ちゃんに無理矢理引き離された。


するとみんな声を漏らして笑った。


みんなで食事をしていると、秋ちゃんパパが息を切らして帰ってきてくれた。


またみんなと沢山の思い出を作っていきたい。


改めてそう感じたひと時だった。





fin.