「それでは今日は転校生がいるから紹介するな。」

そういう担任の声を無視して窓をむく。
転校生なんて興味ない。女なら尚更だ。


―ガラッ　コツコツ

転校生の入ってくる音だろう。


「じゃあ、自己紹介なんでもいいからお願いね。」



「柊沢梨真（ひいらぎざわ　りま）」



････････ってそれだけかよ！名前だけじゃねぇか！

俺でさえよろしくの一言を添えるのに！


やばい、思わずツッコミをしてしまった。心の中でだが


「ひ、柊沢さん。ほ、他には？」


「他に何をいえばいいのですか？先生はなんでもいいとおっしゃいました。なので私は自己紹介の本来の意味、自分の名前を紹介したのです。」


確かにそうだが。

担任も納得したようで席をすすめていた。

その女の顔を見たが、かなり整っている。この高校の女子の中で１番綺麗だろう。
その女は俺の横の空いている席に座った。

マジか、隣かよ。

まあ、こいつ俺なんかに見向きもしないしいいか。