―秋鷹様、今日もかっこいいわ!

―喋りに行きたいわ!

―駄目よ。秋鷹様は近づいたら駄目なのよ。

―どうして?

―知らないの?秋鷹様には2年生にとても綺麗な彼女がいらっしゃるのよ。



女達の会話が聞こえてくる。


俺の名前は桐生秋鷹(きりゅう あきたか)


自分でいうのもなんだが、かなりモテる。
だが、よってくる女は面倒だ。


彼女なんかいた覚えねぇーよ!心の中でそう叫んでいると、


「秋鷹君。おはよう」


そう俺の袖を引っ張って声をかける女。同じクラスの倉持美麗(くらもち みれい)


「ああ。」


とりあえず適当に返事をする。


「よっ!あついね。御両人!」


そういう古い冷やかしをしてきたのは、幼なじみで腐れ縁の柿谷七瀬(かきたに ななせ)


「もーっやめてよ。柿谷君。」


本当だ!やめろ。

俺からブラックオーラがただよっていたのか七瀬はたじろいで


「そういや。美麗ちゃんは知ってる?転校生が来るらしいよ。しかも、俺らのクラスに!」

「えーっ!私達のクラスに!どんなこだろーね?」


七瀬達がそんな会話をしているうちに教室へついた。




「おはよう、二人とも。と倉持さん。」


そう挨拶してきた眼鏡でいかにもな知的オーラが漂っているのが君島秀一(きみしま しゅういち)

七瀬はいうならば馬鹿オーラだがその反対のタイプだ。


「おはよー。なあ、秀一、俺らのクラスに転校生が来るらしいぜ。」


七瀬がそういうと


「その人ならさっき会ったよ。」


と秀一が言ってきた。


「どんな子だったー?」

「とても綺麗な子だったけど。」

「女かー。お前のファン増えるんじゃねぇの?」


七瀬の言葉にカチンとくる。


「えーっ!美麗のライバル増えるー!」


勝手に増えとけ。


今は4月中旬、始業式が終わった頃だ。なのに転校生って、時期がおかしい。