ゆうきは欠伸をしながら片手で頭を掻いた。

女にしては短く、男にしては長い髪がゆうきの長くしなやかな指に絡まる。

そんなゆうきの姿にクラスの女子生徒は溜息を吐いた。

きっと彼女達の溜息はピンク色。

桜女(桜坂女子高等学校の略)は私服高。

一応基準制服はある。

しかしゆうきがそれを着るはずもなく、今日は白い柄シャツの上に黒の上着を羽織っていた。

下は所々破けたデザインのジーンズ。