ゆうきは美香の細い腰をすっと抱き寄せた。

「美香さんの体温を感じられるのも今日で最後ですね」

こうやって抱きしめられるのは何度目だろうか。

美香は心の中で指折り数えた。

「悔しいです」

ゆうきがポツリと呟いた言葉。

顔を上げようとする美香の頭を自分の胸に押しつけた。

「共学に入ってしまったら、きっと美香さんに素敵な彼氏ができるでしょう」

美香はゆうきの言葉に黙って耳を傾けた。