さっきの心臓の音とは、また何か違うドキドキで。
鷲掴みにされてしまったような視線から、離れることが出来ない。
周りの電灯で、ほとんど見えない星空の下。
きっと私の頬は真っ赤に染まってるに違いない。
だって、こんなにも身体が熱い。
……なんで?
「……うざい」
「……えっ、ちょっ」
何を言うかと思えば、私への悪口で。
そうかと思えば、大きな手で塞がれる私の視界。
目の前は真っ暗闇だ。
「あの、蓮くん?」
「その変な視線も、気持ち悪い話し方も全部うざい」
「な、私は蓮くんに惚れてもらうため……んっ」
何かに言葉を遮られるかのように口を塞がれ、全てが解き放たれた時には、背を向けて歩く蓮くんが見えた。
「今の、何……?」
何かが当たった唇をそっと指で撫でる。
あの感触って、まさか。