部屋に入った途端、何かが飛びついてきた。
「きゃぁぁ!藍羅ちゃん!
会いたかったわぁ♡」
「お、お母様!?」
なんと、飛びついてきたのはお母様だった。
「いらっしゃい♪
座って〜!」
促されるままに、座る。
「うわぁ…ふかふか〜」
「でしょ?座り心地抜群なのよ!」
そして、入れてもらった紅茶のカップもすごく可愛くてセンスがいい。
きっと、全てが高級のものだ。
汚さないように、緊張しながらも、紅茶に口をつける。
「とっても美味しいです!」
「そうそう、あのね〜
今日藍羅さんを呼んだのはね…
禅との新婚生活はどうかと思って!」
そういわれて、思わず紅茶を吹き出しそうになる。
「た、楽しいですよ!」
「まぁ、ほんと?良かった♡
あの子、自分勝手なところがあるけど、あれはね、どうやって説明していいのか分からなくなると自分勝手みたいになっちゃうのよね…
仕事はできるのにね〜」
どうしてかしら?と、お母様は話をしてくれた。
「藍羅ちゃん、禅に仕事辞めろって言われた?」
「なっ…!言われなかったんですよ!
それどころか、今朝辞めたからって言われて…」