…
ってことがあったの…
「えっ…でも俺…」
禅が言いたいことは分かった。
さっき、私の頭を触った時何ともなかったから。
私もなんで平気だったのか分からない。
だけど、千里はダメだったんだ…
身構えてしまった。
「禅は、何故か平気だったの。
だから、よそよそしくなるとかやめてね!」
「あ、あぁ…」
納得していないような、本当に大丈夫なのかと疑っているような返事をした。
流石に、引っ越してきてからは大きなパニックになることはなかった。
はじめの方は、知らない男の人が怖くてなることもあったけど、今は全然ない。
だから、お母さんももう大丈夫と思って、結婚式に千里を呼んだんだろう…。
まぁ、治ってなかったわけだけど。
千里は理由を知っているから、察してくれた。
と言うより、禅がやってるのを見て大丈夫だったから、触ろうとしたのかもしれない。
分からないけど、途中で止めてくれたおかげで、ひどいパニックになることは避けられた。
あんな大勢の前で…
それも、禅の仕事の人も居たから、あんな所でパニックを起こしたら大迷惑だ。
千里にも謝らないとな…
幼馴染なのに、ずっと連絡も取らずに勝手にいなくなったんだから…
「明日聞こう…」