「藍羅〜!!
無事でよかった…」
目を覚ますと、お母さんが泣きながら抱きついてきた。
お父さんも…
「あい!」
そして、勢いよくドアを開けて入ってきたのは千里だった。
「あい!ごめんな…俺が一緒に帰っていれば…」
そう言って、いつものように千里は私の頭をポンポンしようとした。
だけど、私は顔も分からない、おじさんに頭を押さえつけられたことを覚えていた。
「いやっ!!!」
千里の手を払い除けて、震えながらお母さんに抱きつく。
「えっ?」
いきなりのことに、お母さんも千里も驚いていた。
「いや…やめて…!」
とにかく私は怖くて仕方ないから、お母さんにぎゅっと捕まったまま、震えていた。
そんな姿を尋常じゃないと思ったのか、お父さんが千里を病室から連れ出して、先生を呼んだ。