次の日

やっぱり男子が、机の周りを取り囲んでた。
「お前、チクんなよ。」
「キモいくせに。」
「学校くんなよ。」

休み時間なんて、なくなればいいのに。
ずっと、授業ならいいのに。

「こいつ、どこ見てるかわからんねーし、ほんと、きしょいわ。」



その日の終わりの会で、先生は、みんなに話した。

「桜坂さんは、明日から暫く入院します。」

えっ!
教室が騒然となった。

「桜坂さんは左目の外斜視の手術をするんです。」

教室は、しんとした。

「みんな、特に男子、桜坂さんが、退院した後で、教室に戻りたくないってなったらどうする?ちゃんと、謝ってあげて。」


そこで初めて、男子の、ごめんなさいが聞けた。

先生、もしも、私が斜視じゃなくて
もしも、私が明日から入院じゃなくても
男子に謝るように、言ってくれましたか?

私が、明日からいない。
それを利用されたような気がしてるんです。

このことは、大人になっても、思い出すのが辛い出来事になりました。