「でっかい、でっかい!」
いつもと変わらない毎日が繰り返された。
「あ、雲が!」
わざとらしい付け足し付きで。

やめてください……

私の声は、届かない。

女子たちも、クスクス笑っている。
誰も助けてくれない。

私は、もう一度、終わりの会で発表することにした。

「また桜坂ー?」
「今度は、なに」

男子が……

「またそれ?雲を見て言ったって言ってんじゃん!」

その日の空は、快晴で、雲ひとつなかった。
男子は、観念した。

「お前、鼻くそでけーんだよ!」

教室中が、どっ!と笑った。
私は、逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

「男子!桜坂さんは、風邪引いてるのかも知れないでしょ!?」

先生、私が鼻くそでかい前提で、男子に注意するんですね…

先生も女なら、女の子が鼻くそどうのこうのってからかわれるの、どれだけ辛いか知ってますよね……

先生は綺麗だから、経験ないかも知れないけど…

その日も、泣き寝入りすることになった。