「俺は桃原の嘘に気づくから」


真っ赤な顔してきみは言う



「も〜なに言ってんの〜?」




「誤魔化すなよ!!!」



びくっと思わず肩がなるくらい黒瀬は大きい声を出した



「まだ好き?

…なんだよな、奏の好きな人知ってんのに」



「なんで黒瀬なんかにそんなこと」

分かるの?って言おうとして遮られた

「…ずっと見てるから」



すごく小さい声でまたさっきみたいに顔を赤らめて付け足した




こんなこと言われたら隠し通せるはずがない




「……なんでわたしじゃだめなの?


わたしのほうがずっと好きなのに

…花華には彼氏がいるのに」



本音をこぼしながらぐすぐす泣く私は、また黒瀬の前で泣いちゃったなんて考える暇もなく

顔をぐしゃぐしゃにして思いっきり泣いた




黒瀬はどうしたらいいのかあたふたしたあとがっつり私の手を引いて

した向いてろ、だけ言ってわたしにタオルをわたした







だって好きだよ、





簡単に諦められないくらい好きなんだもん