口を付けた次の瞬間
俺は伝え様の無い未知の味の
不味さに驚いた

'' え どうしたの? ''

俺「どうしたも こうしたも有るか!
こんなモン不味過ぎて食えねえ」

'' あらやだ 御免なさい
やっぱ異世界の食べ物は
お口に合わないのかしら
じゃあ こっちは? ''

目の前に現れたのは
見た目 超 最悪な感じ のラーメン

何か良く分からない
見た事の無い様な
生き物達が優雅に泳いで居た

俺「…コレは?」

'' カップ麺よ? ''

俺「下り的に味は美味しいんだろうけど
口 付ける気に成れないんだが」

'' そうよね
美人には飛び掛って襲いたい欲が出るけど
ブスには抵抗 有るわよね
匂うんじゃないか、とか
美人でも良い者は良いし
ブスでも悪い者は悪いわよ? ''

俺「つまりは不味い って事よな?」

'' うーん…私は苦手っ☆ ''

俺「現実世界に戻る」

'' あー!待って待って!!
普通のも有るの ''

俺「最初っから それを頼む」

'' ちょっと人間の1データを伺いたくて、ね
許して? ''

今迄に見た事の無い様な
あからさま の表情を見せやがった

俺は疑心暗鬼に成って
その後 出て来た
見た目 普通そうなラーメンに
手を付けるのも躊躇して居たが

'' 冷ますと不味いよ? '' とか
'' 童貞の猫舌野郎なのかしら? '' と煽られ
勢い で食べた

味は…普通だった

'' お腹は張ったかしら? ''

俺「ま、まあな」

’’ 次は どうする? ’’

俺「眠い」

俺の視界の前に
また選択肢が現れた

1、寝る
2、マッサージ
3、続ける
4、その他

妖精モドキは会話が出来て
仲良く成れたかと思い切や
何処か距離の有る感じで
その境界線は
この目の前に現れる選択肢だった

俺「マッサージって何だよ…
気に成るけど もう本当 疲れた
寝る」

'' 御意♪
では ごゆっくり お休みなさい
良い夢を ''

― Good Night ー

俺は慣れない事を
一気に した せい か
疲れ切って
アイマスク を した まま
眠ってしまった

…夢を見た気がした

真っ黒い背景の中に
1つ だけ お墓が有って
俺は何か
絶望とか恐怖心とか
そんな者に狩られ
胸を締め付けられ
苦しくて叫び出しそうな…

俺「あ"あ"あ"あ"」

'' あー! 何よ!もうっ! ''

見覚えの有る羽が見えた

俺「…あ御免」

'' 何か有った? ''

俺「少しな…夢を見たんだよ」

'' 夢? ''

俺「まあ大丈夫、気にするな」

'' そっか、お大事に ''

機械の癖に本当たまに
想定外の回答を返して来やがる

それが心地良い時も有れば
気味悪く思ったりする時も有った

'' 今日は どうする? ''

寝起きから また選択肢が現れる

1、前回の続き
2、他の子と遊ぶ
4、その他

俺「前回の続き、で」

'' 御意 ''

― 一方通交換ノート ―

俺は今が何時だ とか
現実世界が どんな天気だとか
学校の事とか全て忘れ切って居た