ずっと騙していると思っていたはずが、本当に騙されていたのは自分だったことを知り、動けなくなった。




去っていく雨音の背中に怒りを訴えるでもなく、はたまたすがりつくでもなく……。



ただひたすら、ずっと隣に並んでいた雨音の背中を滲んだ視界で見つめ続けた。





雨音がわからない……。




わたしを好きで居てくれたなら、なんでこんな風に真実を打ち明けて突き放してしまうの?




お互いに好きなら、例え始まりがあんな形であったとしても、本物になれると思っていた。





雨音は騙しているという罪悪感に耐えきれなくなったのかな……。




わたしを愛おしんでくれる温かな感情よりも、暗い罪悪感が上回ってしまったんだ。




そう自分に言い聞かせて、心に整理をつける。