タオルを顔の両端に垂らし視界が狭くなったせいか、日咲の顔はずっと正面の俺だけを見つめている。




「大丈夫っ。雨は……お日さまと一緒に居られるよ」




不意に開いた日咲の唇から零れる言葉は、やっぱり温かい……。




「っ……」




どうやったら俺は……その光と温もりを、守れる存在になれるんだろう。





こうして重ねてしまった唇から、温もりが宿って欲しい……。




そしたらきっと、俺も日咲に温もりを与えることが出来るから……。




どんなに気持ちを遠ざけても駄目だ。






やっぱり俺は、日咲が好きで仕方無いんだ……。