理由を聞いた彼の顔は、ますます怪訝そうになり、俺を睨むように見つめた。
俺はどんな顔して接すれば良いのかわからず、気付けばひたすら地面を見つめていた。
「せっかく出れたんだ。遊ぼうぜっ」
いつの間にか顔は人懐っこい笑顔に変わっていて、こう言って俺の腕を掴んだ。
もし、蔵を抜け出して遊びに行ったりしたら……祖父にどんなに怒られるだろうか。
そう思った瞬間、俺は彼の腕を振り解いて首を振っていた。
「僕……戻る」
小さく呟いて自ら蔵に戻った俺が、恐らく彼には不可解だったんだろう。
閉まり際の扉から見えた顔は今度は本当に俺を睨み、
「暗い奴っ」
吐き捨てるようにして踵を返した。
扉の内側で、彼の走り去る音をずっと聞いていた。
出来れば俺も……あっち側の世界に行きたかった。
明るく温かい……お日さまの在る世界に。
俺はどんな顔して接すれば良いのかわからず、気付けばひたすら地面を見つめていた。
「せっかく出れたんだ。遊ぼうぜっ」
いつの間にか顔は人懐っこい笑顔に変わっていて、こう言って俺の腕を掴んだ。
もし、蔵を抜け出して遊びに行ったりしたら……祖父にどんなに怒られるだろうか。
そう思った瞬間、俺は彼の腕を振り解いて首を振っていた。
「僕……戻る」
小さく呟いて自ら蔵に戻った俺が、恐らく彼には不可解だったんだろう。
閉まり際の扉から見えた顔は今度は本当に俺を睨み、
「暗い奴っ」
吐き捨てるようにして踵を返した。
扉の内側で、彼の走り去る音をずっと聞いていた。
出来れば俺も……あっち側の世界に行きたかった。
明るく温かい……お日さまの在る世界に。