あまりにも表情がコロコロ変わるから、なんだか可愛い。




そう思って笑ってるうちに、俺の左手は無意識に日咲の頬に触れていた。





「……っ」




その瞬間、まるで赤の絵の具を散りばめたかのように日咲の頬はふんわりとした赤に染まった。




何やら言いたげに口ごもりながら、俺の顔を恨めしげに上目に見つめている。




あっ……。



俺、なんか変な事言ったかな……。




困った顔した俺を、まだ恨めしげに見つめていた日咲が一瞬目を伏せた後、




「わたしも……好きっ」




発した声と共に上げた顔は、今までで一番大好きな笑顔になった。