陽光くんに憧れたのは、綺麗な顔でも優れた能力でも無かった。



いつも話題の中心に居る人気者。



独りが嫌いだったわたしが強く惹かれたのは、彼のそんな部分だった……。





両親が共働きになり、家に居る時間が昔よりぐっと少なくなった。




一つ下の弟は地方の高校で寮生活を送り始め、気が付けば家の中はわたし独りしか居なくなっていた。



だから、学校で友達と過ごす時間は楽しくて好きだ。



余計なことを考える暇も無いほど、お喋りに夢中になって、



名前を呼べば必ず誰かがわたしに気付いてくれる。




無駄に大音量のテレビの前に座って、帰って来てから何度目かの新着メールの確認。




ずっと学校で同じ時間を共有していた友達が、わざわざ家に帰ってからも話し相手欲しさにメールを寄越すワケもない。




かと言って、キッカケも無いのにこちらから送ることは躊躇ってしまう。




仮に送ったところで、わたしの寂しさが埋まるほど無駄話に付き合ってくれるだろうか。




相手だってそんなに暇じゃないハズ。




それに、寂しいなんて本音の弱音を口にして、同情で相手されるのは嫌だった。