- 春佳side -
季節は6月。
体育祭が終わって数日経つと、しゅがーちゃんから「話があるから」とメールが届いた。
俺は返事もしなければ会いに行くこともなく、そのメールを無視していると、翌日には電話が掛かってきた。
その電話も無視すると、留守電のメッセージが入っており「話があるから先生のところに来て」と。
それからメールや電話が毎日きた。
ご丁寧なことに留守電のメッセージも必ず入っている。
1日1通、1回だったものが最近に至っては3通、3回以上になっている。
数週間に渡り、毎日くるメールや電話。
もはや嫌がらせの域だ。
「しゅがーちゃんうざすぎ~。一体何の用事?」
しゅがーちゃんのあまりのしつこさにさすがに負けた俺は、嫌々しゅがーちゃんの元へと向かった。
「松木くん。部活に入りましょう」
「はぁ?」
一体どんな話をしてくるのかと思えば「部活に入りましょう」?
唐突に何を言ってくるんだ、この人は。
勿論、俺の答えは「ノー」だ。
だが、そんな一言で「はいはい」と容易に諦めるわけがない。
「天文部だから毎日活動しなくてもいいわ」
「へぇ~」
部活に入る気もない上に、天文のことにすら俺は興味がない。