先輩は、ご機嫌そうな笑みを浮かべて此方を見てくる。
「まぁまぁ、翼ちゃん。安心してよ~」
「……何がですか」
「耀ちんは大切な友達だけど、翼ちゃんは友達なんかじゃないから」
「…は?」
何それ。友達なんかじゃない?
べ、別に友達になった覚えはないし、いいけどっ…いいけど……その言い方はひどい。
しかも直接本人に言うなんて以ての外だ。
「翼ちゃんはとーっても大切な友達以上、だよ」
「っ……」
「だから機嫌直しってどこ行くの?」
「今日はもう帰りますっ…!」
「え~」
先輩がなにやらまだ言っていたが、それを無視したまま部室を出た。
先輩は何を考えてるのかわからないし、ほとんど一方的だし、一緒にいると調子が狂う…。