周りの先生達は「また佐藤先生が騒いでるなー」と笑ってこの状況をスルー。

私からすると笑いごとではないんだけど。止めて欲しい。


「というより先生。仮に私が入ったところで先輩が入るとは限らないのでは?」


そう。今回の先生のお願いは「天文部に入って欲しい」というものだ。

先輩の留年を阻止するためにも次は部活動をしてもらう気らしい。

運動系だったらどんな理由があろうとお断りだが、文化系なのであれば少しは考える余地はある。

まぁ、そうは言っても先輩が素直に部活に入るなんて思えないけど。

先生は私から離れ、パンッと手を打ち、笑顔で答える。


「それなら問題ないわ!」


それはほんの1時間前程に遡る。