コツコツ…コツ
ローファーの足音だけが響いていた。
チカチカと光る淡い街灯だけがその場所の唯一の光だった。
とても暗い道だった。
「ふぅ…。」
彼女の吐息が白く夜道に塗られた
「ねぇ、どうしたい?」
低い声で吐かれた彼女の言葉は、ある青年に向かってだった。
「・・・・。」
倒れ込んだ彼女の前にいる青年は、視線を地面から彼女に向けた。
「ねぇ、どうしたいの?」
「・・・・。」
ギロりと彼女を睨みつけた青年。
「ねぇ、どっち?」
「・・・・。」
目を細める青年。
睨みきかせている
「ふぅ」
再び、吐息を吐く彼女。
その白が消えると
「わかった。」
そういった彼女は、ポケットから凶器、と呼ばれるものを取り出した。
「・・・っ!!」
青年は目を見開いた。
「サヨナラ」
バンッツッツツツ!!!
銃声と呼ばれるものがあたりに響き渡った。
今日、この路地裏で殺人事件が起きた。