「慌ただしい奴だな」
回廊を通り抜け、俺の部屋がある反対側の塔に向かう。
そこは、城で働く者の寝所がある場所。
アンの部屋はその塔の三階だ。
木製のドアを二回ノックする。
数秒待つが、返事は聞こえない。
寝たのか?
ゆっくりドアを開けて部屋の中に入れば、ベッドが両端にふたつ置いてあって、左側のベッドにアンが寝ていた。
俺が彼女に近づくと、ベッドで寝そべっていたモコがベッドから飛び降りて部屋を出て行く。
まるで、俺に場所を譲るかのようなモコの行動に、自虐的な笑みを浮かべた。
「……かなり信用されてるな」
そんなに俺を信用するな……とモコに言い聞かせたくなる。
ベッドの端に座ると、アンの寝顔を眺めた。
彼女の目元にうっすらと涙が光っていて、俺は手を伸ばして指で涙を拭う。
回廊を通り抜け、俺の部屋がある反対側の塔に向かう。
そこは、城で働く者の寝所がある場所。
アンの部屋はその塔の三階だ。
木製のドアを二回ノックする。
数秒待つが、返事は聞こえない。
寝たのか?
ゆっくりドアを開けて部屋の中に入れば、ベッドが両端にふたつ置いてあって、左側のベッドにアンが寝ていた。
俺が彼女に近づくと、ベッドで寝そべっていたモコがベッドから飛び降りて部屋を出て行く。
まるで、俺に場所を譲るかのようなモコの行動に、自虐的な笑みを浮かべた。
「……かなり信用されてるな」
そんなに俺を信用するな……とモコに言い聞かせたくなる。
ベッドの端に座ると、アンの寝顔を眺めた。
彼女の目元にうっすらと涙が光っていて、俺は手を伸ばして指で涙を拭う。