甘い誘いに乗るクズかどうか……。

「無駄だ。見苦しいものを俺に見せるな」

邪険に扱えば、コレットは顔を歪めて不快感を顕にした。

「見苦しいって、酷い言い草ね。レディーにはもっと敬意を払うものじゃないかしら?」

外したボタンをサッと元に戻すコレット。

その目は憎らしげにというよりは、どこか楽しげに俺を見ている。

「服を脱いで男を誘惑する女をレディーとは言わないな。俺にとってはそれは刺客か、ただの下品な女でしかない」

コレットを見据え、冷ややかな声で言い放つ。

「普通の男は簡単に落ちるのに……。王太子さまは本当に神のように気高いのね」

コレットは少し顔を引きつらせながら嫌味を言った。

「『気高い』……か。どうだか?」

自分に問いかけるように呟いてフッと笑う。

今の自分とは真逆だと思った。