「黙ってるってことは図星なのね。そんなに女に飢えてるのなら、私がお相手してあげるわよ」

「お前では欲情しない。遊びたいなら、他の男を探せ」

フッと鼻で笑い、コレットの手を振り払う。

「これでもそんなこと言えるかしら?」

誘うように笑ってコレットは自分の服のボタンに手をかけた。

白くて瑞々しい肌が少しずつ月の光に照らされる。

だが、心を動かされることはない。

肌は見えなくても、服が濡れて身体の線が露わになったアンの方がよほど魅力的だった。

王太子という立場上、身体を使って俺を誘惑する女はたくさんいる。

だが、いつも剣を見せて追い返した。

大抵の者は俺の命を狙う。

甘い誘惑は毒と同じだ。

それに、コレットは本気で俺を誘ってはいない。

俺を試しているのだろう。