「さあ、私に聖剣を渡すのだ」

フィオナの強い口調で私に迫るが、次の瞬間、ガブッという音がして、彼女のギャーという悲鳴が聞こえた。

多分、モコがフィオナに何かしたのだろう。

モコが怒っている気配がする。

「この聖獣め!暗黒の世界に封じてやる!」

フィオナは悪態をつくと、呪文を唱えた。

それと共に強風が吹き、私の身体も吹き飛ばされた。

「キャアー!」

身体が何かに吸い込まれていく。

何も見えないのが怖かった。

自分ではもう何もできない。

そう思った時、突然風の力がなくなって私は落下した。

バシャンという水音と衝撃。

口と鼻にガバガバと水が入ってきて、身体が苦しくなる。

もがけばもがく程苦痛に襲われ、身体は沈んでいく。

抵抗するのを諦めた時、持っていた聖剣が光るのを肌で感じた。