「どうした?」

「こんな状況なんだけど……モコがいて……そして、クリスがいて嬉しい」

「能天気すぎるな。少しは自分の無鉄砲さを反省しろ」

ちょっと怖い顔で注意すれば、「はい、すみません」
と上目遣いに俺を見る。

「本当に反省しているか怪しいな。罰としてアンから俺にキスしてもらおうか」

顔を近づけてキスを要求すれば、アンは「え?自分から?」と驚いた顔をした。

「キスしないと朝まで服なしだな」

半ば脅すように言ってやっとアンは俺の頰に手を添え、躊躇いながらチュッと軽く俺の唇に触れた。

可愛いキスだが、これで満足できるわけがない。

「そんなのキスと言わない」

意地悪く笑って駄目出しし、アンに深く口付ける。

俺の身体の熱が全部、愛おしいこの女に伝わればいい。

俺の全てをお前にやる。